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私の中で泣きたいくらいに欲しいものは 望むものはひとつだけだ
天上にいくつかの月が昇った
手を伸ばせばにぎりつぶせそうなそれを、片手で攫むのはよしたほうがいい。
どれもこれも、偽物だらけだ。
銀色の尻尾が欲しかったけれど、あいにく手に入れられなかった私は夜の街をいつものように歩く。
おあいにく様、望みの舞台なんてどこにもない。
そんな風に、歌うように駆け抜けて。乾いた笑い声が花弁と混じって舞う。
ひら、ひら、ひら。
何が欲しい?欲しいものは何でも手に入る。
天辺まで行くんだ。
そんな、小さな子供のような言葉を口にして。天高く指先を持ち上げて。
撃ち落せ、月を。
「どこまでも、いくんだ」
どこまでも、どこまでも。
この足が折れて。なくなっても。
私は、私だけは…別の海を。永遠の海を往くんだ。
全てを切り裂いて、ゆくんだ。
狂ったように自由で、さみしかった。
鳴り響く歓喜の声は、どこまでもどこまでも反響して襲い掛かる。音の嵐の中で独り。
どこまでも、どこまでもいこう。
もう、この手の拠り所なんて望まない。
涙のヨスガなんて、必要ない。
ずっと傍になんて。離さないなんて。独りにしないなんて。
そんな偽り言、もう捨てた。
いらない。
そうでしょう?あらかじめ失われた恋人。
そうでしょう?
風。春の風。
甘い花の香り。幸せだった。
これから、冷たい春を往く。
さみしくない。
還る場所は、ある。知ってる。
だから、大丈夫。まっていて。
この指先が、凍えて。いつか私が何もわからなくなっても。
それでも、大丈夫。もう、泣かない。
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