2008/07/20 (Sun) あれかね、なんだろね

　目の前にオープンで並べられた手札。

　どれを選んだったっていい。
　未来は無限の可能性に満ちている。

 

　………なんて。

　無邪気に選べるのなら、それは幸福。

　無条件に未来を信じてゆけるのならば。

　魔剣士は…手放した。
　闇を往く覚悟は胸の中に。捨てず魂の奥に。
　譲れない、失えないもののとともにあればいい。一生涯、業を背負ってゆけばいい。
　雪に…白く美しいものにと望んでも、私のこの手は真っ赤です。
　それはもう、どんな白い雪で拭っても拭っても…かぶり続けてゆく血だから。

　…だから、もう。穢れたこの身が人の目に触れることに怯えて、夜を歩かないでもいい。
　救いなんて真っ平だ。

　
　でもそう思っても……それを、選ぶのは依存のようで。
　それを捨てるのは裏切りのようで。
　けれど心はそれしか見てなくて、私はすごく困る。選んでいるのに、手を伸ばすのに躊躇った。
　

 

 

　……ごめん、どんな言葉を重ねても。結局はそれを選んだんだ。

　これしか選べなかったんだ。
　
　……強い自分には、まだなれそうにない。